「空気を読む脳」読了。
脳科学者の中野信子さんの著作を読むのは、3冊目か、4冊目か?
毎回、興味深い知見を知ることができるのですが、「空気を読む脳」では、過去に読んだ本の焼き直し的な文章も多いようです。
セロトニンは、精神安定剤のようなもので、ストレスに対する抵抗力などを強めるホルモン。
オキシトシンは、愛情ホルモンです。
セロトニンやオキシトシンなどについて、より詳しいのは「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」なので、くわしく知りたい方は、こちらをお読みください。
日本人の多くが、協調性が高く、不安を常にかかえやすい、セロトニントランスポーターが少ないタイプであり、それによって、良いことも悪いことも現象として起こりやすいというのです。
たとえば、災害時にはセロトニンやオキシトシンが効果的に働きます。
しかし、協調性の裏返しが、自分を犠牲にしてでも復讐するという「義憤」の感情です。
また、オキシトシンには妬み感情を生み出しますし、SNSでのバッシングなどが起こりやすいのだそうです。
子どもを褒めて育てる、というのは、最近では当然のこととして受け止められていますが、褒め方によって、子どもがポジティブになるか、それとも自分の失敗を隠蔽する嘘つきになるのかが、わかってきたようです。
それによると、
大学では、当初のやる気はどこへやら、自分から離脱していく学生が増えています。
その傾向が顕著なのが、ブログ運営を行う「ICT戦略論」なのですが、ブログ運営は、見た目ほど簡単ではなく、ページビュー数が成績に直結していることから、離脱する学生が必ずいます。
最初は簡単と思っていたタスク(ブログ運営)が、意外と難しく、ページビュー数が思うように伸びない・・・。
これが、学生が離脱する原因かもしれません。
ある意味、新しいことへチャレンジする気持ちは弱く、「自分には向いていない」とそっぽを向いて逃げていきます。
これが、「頭がいいね」と育てられてきた結果だとすると、学生が保守的なのも、よく理解できます。
なんとなく、「ごほうびは与えないほうが結果は良い」という直感を持っていましたので、子どもだけでなく、ごほうびは基本なし、というポリシーで生きてきましたが、やっぱり間違っていなかったようです。
脳のなかで、「ごほうび」=「嫌なこと」という認知構造ができあがってしまうため、報酬が大きいほど、「嫌なこと」と認識されることがわかってきました。
やる気の瞬発力は、ごほうびでアップするかもしれませんが、瞬間的なものでしかなく、持続性はありません。
しかも、ごほうびを何度も出し続けると、やる気はどんどん削がれていくというのです。
むしろ、報酬は少ないほうが課題を楽しく感じるため、「これは楽しいよ」「おもしろいよ」といいつづけ、思いがけないタイミングで、少ないプレゼントを気まぐれにあげたほうが、モチベーションはあがるのだとか。
キャンペーン方式で、大きな報酬をあげると、それが当然のようになって、普段はまったくやる気なし状態に陥るとは・・・。
子どものやる気を引き出したいなら、「頭がいいね」とほめず、努力や工夫をほめることが大切だそうです。
そして、ごほうびは少なく、むしろなくても良いくらいなので、子どもだけでなく、企業内でのモチベーションアップ策にも脳科学の知識が必要だと思います。
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【中野 信子】「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」
【中野 信子】「サイコパス」
脳科学者の中野信子さんの著作を読むのは、3冊目か、4冊目か?
毎回、興味深い知見を知ることができるのですが、「空気を読む脳」では、過去に読んだ本の焼き直し的な文章も多いようです。
日本人の脳の特徴を解説
過去の著作でも、何度も書かれているのが、セロトニンとオキシトシンについてです。セロトニンは、精神安定剤のようなもので、ストレスに対する抵抗力などを強めるホルモン。
オキシトシンは、愛情ホルモンです。
セロトニンやオキシトシンなどについて、より詳しいのは「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」なので、くわしく知りたい方は、こちらをお読みください。
日本人の多くが、協調性が高く、不安を常にかかえやすい、セロトニントランスポーターが少ないタイプであり、それによって、良いことも悪いことも現象として起こりやすいというのです。
たとえば、災害時にはセロトニンやオキシトシンが効果的に働きます。
しかし、協調性の裏返しが、自分を犠牲にしてでも復讐するという「義憤」の感情です。
また、オキシトシンには妬み感情を生み出しますし、SNSでのバッシングなどが起こりやすいのだそうです。
褒め方によっては嘘つきな大人になる
「空気を読む脳」に紹介されている研究のなかで、とても興味深いテーマが「子どもの褒め方」です。子どもを褒めて育てる、というのは、最近では当然のこととして受け止められていますが、褒め方によって、子どもがポジティブになるか、それとも自分の失敗を隠蔽する嘘つきになるのかが、わかってきたようです。
それによると、
- 「頭がいいね」と褒められて育った子どもは、「自分はがんばらなくても、良くできるはずだ」と思うようになって、必要な努力をしなくなる。
大学で教えていると、実力がないのに「自分はできる」と思い込んでる、いわゆる「意識高い系」学生に出会います。
- 本当の自分は「頭がいい」わけではないが、周囲には「頭がいい」と思わせなければならない。
こういう学生も、少なくありません。
問題は、
- 「頭がいい」という評価から得られるメリットを維持するために、嘘をつくことに抵抗がなくなる。
という点です。
また、「頭がいいね」と褒められて育った子どもは、次のような傾向があるそうです。
- 実際に悪い成績をとると無力感にとらわれやすくなる。
- 難しい問題に取り組むときに、歯が立たないと「頭がいい」という外部からの評価と矛盾するため、やる気を無くしやすい。
- 「頭がいい」という評価を失いたくないために、確実に成功できるタスクばかりを選択し、失敗を恐れる気持ちが強くなる。
大学では、当初のやる気はどこへやら、自分から離脱していく学生が増えています。
その傾向が顕著なのが、ブログ運営を行う「ICT戦略論」なのですが、ブログ運営は、見た目ほど簡単ではなく、ページビュー数が成績に直結していることから、離脱する学生が必ずいます。
最初は簡単と思っていたタスク(ブログ運営)が、意外と難しく、ページビュー数が思うように伸びない・・・。
これが、学生が離脱する原因かもしれません。
ある意味、新しいことへチャレンジする気持ちは弱く、「自分には向いていない」とそっぽを向いて逃げていきます。
これが、「頭がいいね」と育てられてきた結果だとすると、学生が保守的なのも、よく理解できます。
「ごほうび」=「嫌なこと」
また、ごほうびを与えると、やる気がでるのか?というテーマも興味深いものでした。なんとなく、「ごほうびは与えないほうが結果は良い」という直感を持っていましたので、子どもだけでなく、ごほうびは基本なし、というポリシーで生きてきましたが、やっぱり間違っていなかったようです。
脳のなかで、「ごほうび」=「嫌なこと」という認知構造ができあがってしまうため、報酬が大きいほど、「嫌なこと」と認識されることがわかってきました。
やる気の瞬発力は、ごほうびでアップするかもしれませんが、瞬間的なものでしかなく、持続性はありません。
しかも、ごほうびを何度も出し続けると、やる気はどんどん削がれていくというのです。
むしろ、報酬は少ないほうが課題を楽しく感じるため、「これは楽しいよ」「おもしろいよ」といいつづけ、思いがけないタイミングで、少ないプレゼントを気まぐれにあげたほうが、モチベーションはあがるのだとか。
キャンペーン方式で、大きな報酬をあげると、それが当然のようになって、普段はまったくやる気なし状態に陥るとは・・・。
子どものやる気を引き出したいなら、「頭がいいね」とほめず、努力や工夫をほめることが大切だそうです。
そして、ごほうびは少なく、むしろなくても良いくらいなので、子どもだけでなく、企業内でのモチベーションアップ策にも脳科学の知識が必要だと思います。
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【中野 信子】「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」
【中野 信子】「サイコパス」
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