【並木 伸一郎】眠れないほどおもしろい「日本の仏さま」

眠れないほどおもしろい「日本の仏さま」: 同じようで、一体どこが違うのか? 」読了。

仏教のことって、知っているようで知らないことばかりだと感じているのは、私だけではないのでしょうか。

コンビニで目について購入してしまいました。

眠れないほどおもしろい「日本の仏さま」: 同じようで、一体どこが違うのか? (王様文庫 A 65-14)

並木 伸一郎 三笠書房 2017-10-30
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by ヨメレバ

「わかりやすい!」とおすすめできる1冊です。






日本の仏教を網羅

世界的に見て、日本の仏教は変わっているらしいってことはご存じですか。

学生時代に、日本は大乗仏教と習ったと思いますが、簡単に書くと、修行よりも人々の救済に主眼が置かれているのが大乗仏教です。

これに対して、規律や修行が重視されるのがタイなどアジア諸国の仏教で、現在では上座部仏教と呼ばれます。
(小乗仏教と習った人も多いハズ)

どちらがブッダの教えに近いかといえば、上座部仏教のほうで、大乗仏教は日本で独自に発達した仏教といえます。

そんな独自の発展を遂げた、日本の仏教について網羅しているのが本書なのです。


何気なく見ている仏像や曼荼羅の意味とは?

本書を読んで「ああ、なるほど」と思ったのが、曼荼羅に関するページです。

中国から密教を空海がもたらして以降、日本の仏教は密教一色になってしまったとも言えるのですが、曼荼羅は密教に由来するもの。

大日如来を頂点とし、胎蔵界と金剛界のふたつの曼荼羅があります。

いままで、胎蔵界と金剛界についての説明を何度読んでも、聞いても、なんとなく「わからんのう」と頭を悩ましていたのですが、この本を読んで、よく理解できたような気がします。

そして、仏像についても、如来(悟りを開いた仏)ごとにヒエラルキーとして説明しているので、これもよく理解できます。

教科書みたいな内容なので、仏像について正しく理解したいと思っている人は、とくにオススメです。



仏教にまつわる秘密や禁断ネタも

さらに、著者は超常現象の研究家でもあるため、仏教にまつわる不思議や秘密、そして禁断の話まで、相当数を網羅しています。

小難しい解説書ではなく、下世話な一般大衆が読んでも「おもしろい」と感じるネタがあちこちに含まれています。

なかでも「一字金輪仏」が東京にもあるらしい、という話には、ちょっと驚きました。

平泉の中尊寺にはあるみたいなのですが、こちらは秘仏で、なかなか目にすることができません。

そして、一字金輪仏はものすごいパワーがあるとされていて、この仏様にお願いすれば、あらゆる呪法が無力化されるというのです。

それにしても、東京のどこにあるんでしょうね。


仏教界のスーパースター列伝

さらに、日本の仏教を語る上で欠かせない、歴史上の人物がぞくぞくと登場します。

最初の仏教擁護者である聖徳太子にはじまり、各宗派の創始者たちはもちろん、仏教の歴史のなかで、数々の奇跡を起こした人々のエピソードも満載です。

仏教を知る第一歩として、「眠れないほどおもしろい「日本の仏さま」: 同じようで、一体どこが違うのか? 」をおすすめします。

仏教関係の本、数冊分の内容が含まれていると感じました。


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