水木しげる先生の「神秘家列伝」全4巻を読了。
水木しげる先生の子ども時代を書き表した「のんのんばあ」シリーズをドラマ化した「のんのんばあとオレ」を観てから、がぜん水木しげる先生に興味を持つようになったのですが、では、作品を読んでいるかと言えば、ほとんど読んでいません。
水木しげる先生が育った、境港の妖怪ロードにも行き、水木しげる記念館も観てきましたが、やっぱり作品は読んでおりません。
そんな私が、なぜ「神秘家列伝」を読もうと思ったのかと言えば、吉方位旅行で九十九里方面に行ったからなのでした。
詳細は、【東へ吉方位旅行】またも龍に呼ばれた?刑部岬と九十九里浜 にくわしいのですが、屛風ヶ浦のうえに立つ「刑部岬にある飯岡刑部岬(ぎょうぶみさき)展望館~光と風~」に歩いていく途中、まるで龍神に導かれるかのように、 海津見(わだつみ)神社を参拝して、天の石笛伝説に出会いました。
まったく知識がないままに見た、天の石笛を絵馬とする神社の由来に興味を持ったので、宿の方に質問してみると、「それならこれを」と見せられたのが、「神秘家列伝」のなかの平田篤胤でした。
平田篤胤は江戸時代の国学者で、さまざまな物事を取り上げた人物ですが、まさか水木しげる先生が、平田篤胤を作品にしていたとは全く知りませんでした。
そのまま宿で検索すると、「神秘家列伝」は全部で4巻あり、神秘家と称するのは?という人物も含められていますが、普通ではよく知らずにスルーしてしまうような人物まで取り上げられていると知ったのです。
さっそく購入してしまいました。
生きながら霊界を見て来た霊的体験に基づく大量の著述で知られ、その多くが大英博物館に保管されています。
一生のうちに仏陀の境地を成就した偉大なるヨーガ行者として、尊敬を集めています。
ハイチでブードゥーの神官として白人支配に対して蜂起し、黒人国家ハイチの樹立を助けました。
迷信を打破する立場から妖怪を研究し『妖怪学講義』などを著し、一方で「お化け博士」、「妖怪博士」などと呼ばれました。
天狗の棲む山の世界へ連れて行かれたことがあり、平田篤胤が研究していたとされます。
器用すぎる奇行で知られていました。
『遠野物語』が有名です。
幻想文学の先駆者として知られ、「天守物語」「婦系図」など多数の作品を残しています。
むしろ、神秘家として取り上げられた人物の伝記として読むと、一貫性があるように思います。
なにしろ、生まれた環境から、育った環境、そして臨終まで、すべての人物について描かれているのです。
当然のことながら、その人物に影響を与えたトピックが盛り込まれています。
また、水木しげる先生の応援団として、荒俣宏、京極夏彦、佐野四郎、小松和彦といった面々が、それぞれに水木しげる先生について書かれた文章が入っています。
ゲゲゲの鬼太郎だけが水木しげる先生のように思っている人こそ、手に取ってほしいコミックです。
<関連の投稿>
【荒俣 宏】「風水先生『四門の謎』を解く」
【小松 和彦】「呪いと日本人」
水木しげる先生の子ども時代を書き表した「のんのんばあ」シリーズをドラマ化した「のんのんばあとオレ」を観てから、がぜん水木しげる先生に興味を持つようになったのですが、では、作品を読んでいるかと言えば、ほとんど読んでいません。
水木しげる先生が育った、境港の妖怪ロードにも行き、水木しげる記念館も観てきましたが、やっぱり作品は読んでおりません。
そんな私が、なぜ「神秘家列伝」を読もうと思ったのかと言えば、吉方位旅行で九十九里方面に行ったからなのでした。
天の石笛伝説と平田篤胤
先月、九十九里浜の東端、刑部岬近くにある飯岡海岸に行ったときのことです。詳細は、【東へ吉方位旅行】またも龍に呼ばれた?刑部岬と九十九里浜 にくわしいのですが、屛風ヶ浦のうえに立つ「刑部岬にある飯岡刑部岬(ぎょうぶみさき)展望館~光と風~」に歩いていく途中、まるで龍神に導かれるかのように、 海津見(わだつみ)神社を参拝して、天の石笛伝説に出会いました。
まったく知識がないままに見た、天の石笛を絵馬とする神社の由来に興味を持ったので、宿の方に質問してみると、「それならこれを」と見せられたのが、「神秘家列伝」のなかの平田篤胤でした。
平田篤胤は江戸時代の国学者で、さまざまな物事を取り上げた人物ですが、まさか水木しげる先生が、平田篤胤を作品にしていたとは全く知りませんでした。
そのまま宿で検索すると、「神秘家列伝」は全部で4巻あり、神秘家と称するのは?という人物も含められていますが、普通ではよく知らずにスルーしてしまうような人物まで取り上げられていると知ったのです。
さっそく購入してしまいました。
水木しげる先生が影響を受けた人物=神秘家
神秘家列伝には、次のような人物が取り上げられています。神秘家列伝 其ノ壱
スウェーデンボルグ
スウェーデン王国出身の科学者・神学者・神秘主義思想家。生きながら霊界を見て来た霊的体験に基づく大量の著述で知られ、その多くが大英博物館に保管されています。
ミラレパ
チベットで最も有名な仏教修行者・聖者・宗教詩人。一生のうちに仏陀の境地を成就した偉大なるヨーガ行者として、尊敬を集めています。
マカンダル
植民地時代の奴隷。ハイチでブードゥーの神官として白人支配に対して蜂起し、黒人国家ハイチの樹立を助けました。
明恵
鎌倉時代前期の華厳宗の僧。神秘家列伝〈其ノ壱〉 (角川ソフィア文庫) | ||||
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神秘家列伝 其ノ弐
安倍晴明
陰陽師として知られる平安時代の役人。長岡年恵
何も飲み食いせず、霊水を生じさせて病気を治したという明治時代の人物。コナン・ドイル
いわずと知れたシャーロック・ホームズの生みの親。宮武外骨
日本のジャーナリスト(新聞記者、編集者)、著作家、新聞史研究家、江戸明治期の世相風俗研究家。神秘家列伝 (其ノ2) (角川ソフィア文庫) | ||||
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神秘家列伝 其ノ参
出口王仁三郎
「大本教」の二大教祖の一人。役小角
飛鳥時代の呪術者、修験道の開祖として知られる人物。井上円了
仏教哲学者、教育者。迷信を打破する立場から妖怪を研究し『妖怪学講義』などを著し、一方で「お化け博士」、「妖怪博士」などと呼ばれました。
平田篤胤
江戸時代後期の国学者・神道家・思想家・医者。神秘家列伝 (其ノ3) (角川ソフィア文庫―Kwai books) | ||||
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神秘家列伝 其ノ四
仙臺四郎
江戸時代末期(幕末)から明治時代にかけて、宮城県仙台市に実在した人物で、商売繁盛の神様として知られています。天狗小僧寅吉
『仙境異聞』に書かれた江戸時代の人物。天狗の棲む山の世界へ連れて行かれたことがあり、平田篤胤が研究していたとされます。
駿府の安鶴
江戸時代末期の左官職人。器用すぎる奇行で知られていました。
柳田国男
民俗学者・官僚。『遠野物語』が有名です。
泉鏡花
小説家。幻想文学の先駆者として知られ、「天守物語」「婦系図」など多数の作品を残しています。
神秘家列伝 其ノ四 (角川文庫ソフィア) | ||||
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神秘家たちの伝記として読む
今回、全4巻を読み通してみて、水木しげる先生の興味の方向性がわかるような、わからないような?でした。むしろ、神秘家として取り上げられた人物の伝記として読むと、一貫性があるように思います。
なにしろ、生まれた環境から、育った環境、そして臨終まで、すべての人物について描かれているのです。
当然のことながら、その人物に影響を与えたトピックが盛り込まれています。
また、水木しげる先生の応援団として、荒俣宏、京極夏彦、佐野四郎、小松和彦といった面々が、それぞれに水木しげる先生について書かれた文章が入っています。
ゲゲゲの鬼太郎だけが水木しげる先生のように思っている人こそ、手に取ってほしいコミックです。
決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様 (講談社文庫) | ||||
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【荒俣 宏】「風水先生『四門の謎』を解く」
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