『死刑にいたる病』読了。
映画が公開されるまえに読んでおこうと思って、手に取りましたが、イッキ読みです。
あまりにおもしろくて、途中でお休みするのが、できない作品でした。
主役はシリアルキラー
『死刑にいたる病』というタイトルのとおり、主役はシリアルキラーの榛村大和です。
主人公は、筧井雅也という大学生で、中学時代が黄金期で、高校入学以降は自信喪失してしまっています。
その筧井に、死刑囚・榛村から手紙が届き、筧井は榛村の依頼を引き受けることになります。
その依頼とは、最期の一件は、自分がやっていない冤罪事件である、というもの。
大学生の筧井は、自分で本を読んだり、当時の関係者に聞き取りを行ったりして、榛村の最後の事件は冤罪の可能性が高いと確信していきます。
そんな筧井は、調査の過程で少しずつ積極的になり、明るく対応できる学生へと変化します。
大学のなかで孤立していた筧井は、その変化を良いものとして受け止めるのですが、実はその変化こそ、シリアルキラー・榛村が仕掛けたワナだったのです。
獲物は最後までいたぶる
筧井は、実は榛村が犠牲者候補としていたひとりだったのですが、途中で逮捕され死刑囚となってしまったことから、肉体的な損壊から、精神的な損壊へと手段を変化させていました。
そんな榛村のワナにかかった筧井は、自分が榛村の子どもである可能性に行き当たります。
思い悩みつつも、殺人への衝動を感じはじめる筧井。
しかし、それは榛村によるコントロールだったのです。
死刑囚で何も実行できない榛村は、外部から人を壊していくことを実行しようとしてたのです。
最後まで味わい尽くそうとする悪意が、この小説のテーマだと思いました。
阿部サダヲさんより高橋一生さんでしょう
原作では、榛村はパン屋を経営していた40代前半のイケメン。
優しげな顔立ちなのに、とんでもないサディズムの持ち主です。
映画の公式サイトをみると、榛村を阿部サダヲさんが演じるようです。
小説を読み始めたときから、これは高橋一生さんだと思って、読んでしまいました。
イメージがぜんぜん違うと感じます。
または、少し若いですが、松坂桃李さんも似合うかもしれません。
大学生の筧井は、岡田健史さんが演じるようです。
岡田健史さんは年齢的にも、役柄的にもうまく演じてくれそうです。
ただ、映画には映画の良さがあるので、観るまでわかりません。
原作を超える仕上がりになっていることを期待します。
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