染井為人さんの『正体』読了。
亀梨和也さん主演でドラマ化されるようですが、小説のほうの設定では20歳前後なので、ミスキャストの匂いをぷんぷん感じます。
ドラマはどんな設定ですすめるつもりなんでしょう?
無実の罪で死刑囚に
主人公の鏑木慶一は、未成年で死刑囚になってしまうという設定です。
困っている人を放って置けない人柄が、通りかかかっただけの事件現場で犯人と間違われることに。
そして、困ったことに、事件の一部始終を見ていたはずの被害者の母親は、若年性アルツハイマーで、自分の記憶に自信がない、というのです。
しかし、鏑木慶一は、自らの無実を証明するために脱獄し、被害者の母をさがす旅をつづけます。
物語としては、いわゆる逃亡系なのですが、一般的に逃亡系はハッピーエンドで終わる傾向がありますが、『正体』のラストは悲劇です。
ミステリアスでイケメン
鈴木慶一は、頭脳明晰でイケメンという設定です。
しかし、脱獄囚であり、社会経験がないことから、ミステリアスな言動で周囲の人びとを魅了していきます。
年齢的に亀梨和也さんではないよね。
身長も180センチオーバーという設定なので、20代で180センチ以上の俳優さんでドラマ化してほしいです。
『正体』で描かれる鏑木慶一は、人懐こいところがある、魅力的な人物なので、希望としては小関裕太さんでしょうか。
性格的には明るい系なので、どっぷり暗めではないかと。
30代ですが、古川雄輝さんも似合ってるような気がします。
警察に嫌悪感を持ってしまうようなラスト
鏑木慶一は、警察のメンツのために追いかけられ、最後は警察に殺されてしまいます。
ハッピーエンドではありませんが、鏑木慶一を信じる人たちが、彼の死後、無罪を勝ち取る場面で終わります。
あとがきを読むと、死んでもらう必要があった、と著者が書いています。
わたしも、ハッピーエンドよりもこのバッドエンドのほうが、作品が記憶に残るのではないかと思います。
一気に読めます。おすすめです。
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