『後宮の烏 6』読了。
シリーズ6作目、ついに烏妃の寿雪の正体が知られてしまいます。
ファンタジー作品なので、いろいろと都合がよく進みますが、今回は、とくに都合よく進みすぎるのでは?と感じました。
物語はどこに向かうのか
『後宮の烏』は、小野不由美さんの『十二国記』や上橋菜穂子さんの『精霊の守り人』、または、阿部智里さんの『八咫烏シリーズ』などを、同じような系譜のなかにある作品だと思います。
『十二国記』『精霊の守り人』『八咫烏シリーズ』には、敵がいて戦いがあり、到達すべき結果を、読者もなんとなく共有してます。
ところが、『後宮の烏』は、読んでいる私が悪いのか、どこに向かっているのか、明確には示されていないように感じます。
はじめは、寿雪(烏妃)と高峻(皇帝)との禁じられた恋の物語なのか、と思って読んでいました。
皇帝の妃ではないのに、妃として扱われる黒い烏妃。
烏を身体に閉じこめる烏妃。
前王朝の遺児である烏妃。
などなど、皇帝との禁じられた恋の設定かと思って読んでいました。
呪いと開放
ところが、登場人物が出揃いはじめた3巻目あたりから、様相が変わってきます。
烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)から寿雪を開放しようとする高峻が動き、5巻目では、過去の烏妃たちが土砂とともに開放された場面で終わります。
「なになに、これって寿雪の呪いを解く物語だったの」
それらしいことは出てきてはいたけど、それは恋のハードルをあげるためのものじゃなかったのね。
6巻では、完全に呪いを開放する物語になっていて、高峻の命令で、多くの人々が寿雪のために働きます。
物語全体の設定にかかわる部分が、6巻で描かれている、ということかもしれません。
しかし、目指すべき敵は、魂のまま漂っている初代烏妃であり、その烏妃が閉じ込めた烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)は、鼇の神(白龜)と争っていて、1000年前に海底火山を噴火させてしまいます。
ファンタジーだから良いんですが、具体的な争いごとにならないのは、相手が人間ではないから、でしょう。
謎解き優先
そのためでしょうか、物語として、もっと葛藤する場面とか、こじれる場面がほとんどありません。
寿雪の心を取り戻すためには肉親が必要であるという条件も、高峻に使える衛青が、異母兄弟であることが明確に示されただけで、さほどの波風もなく、さっさと寿雪は戻ってきます。
全体的に、さらっと進んでいくので、謎解きでワクワクということもなく、デンジャラスな場面でドキドキもないままに、物語は進んでいくようです。
続巻も読むとは思いますが、ストーリーをただ追いかけるような印象です。
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