【樺沢紫苑】「学びを結果に変えるアウトプット大全」


学びを結果に変えるアウトプット大全」読了。

前の投稿で取り上げた「「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書」で、アウトプットが大切、とあったので、今度はアウトプットの本を読もうと思って購入しました。

Amazonのランキングで1位だったので、まよわず買いました。

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

樺沢紫苑 サンクチュアリ出版 2018-08-03
売り上げランキング : 9
by ヨメレバ

著者の樺沢紫苑さんは精神科医なので、心理学的な裏付けデータが随所に引用されていて、説得力があります。

そして、このような引用についても、信用される、説得力のあるアウトプットのテクニックの一つだと書いてあります。

つまり、「学びを結果に変えるアウトプット大全」そのものが、理想的なアウトプットになっているのです。





ストレスからの開放にはアウトプットが一番

精神科医である著者は、仕事のストレスや、人間関係の悩みを解消するためにはアウトプットが一番良いと主張します。

アウトプットとして、話す、書く、行動する、に本書は分けられていますが、そのなかでも、書くことによって、人はストレスや悩みから開放されます。

アウトプットを高めるトレーニング法のひとつとして、「学びを結果に変えるアウトプット大全」のなかでは、日記を書くことをすすめています。

日記を書くことで、ストレス耐性(レジリエンス)が向上し、ポジティブ思考が訓練されるからです。

毎日、5分で良いので、日記を書くことで、ストレス発散につながりポジティブ思考に変化すると書いています。

ただし、日記に書くときには、怒りや愚痴も、ポジティブな言葉に変換することが大切です。

なぜなら、悪口を書いて(言って)ストレス発散のつもりが、実はストレスホルモンを増やしていることが研究でわかっているからです。



悪口はネガティブ思考のトレーニング

悪口をいうと、ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。

長期間コルチゾールが多い状態が続くと、免疫力が低下するばかりでなく、驚くことに、コルチゾールは脳の神経細胞の生まれ代わり(新生)も阻害するのです。

恐ろしいですね~。

悪口や愚痴は、百害あって一利なし、です。

ノースカロライナ大学の研究では、ポジティブな会話が、ネガティブな会話の3倍以上の職場では、ビジネスの成果が大きく、メンバーの評価も高いことがわかっています。

ポジティブな会話が3倍を下回ると、会社への愛着が低く、離職率が高まることもわかっています。

中小企業の社長さんたちの悩みとして、「社員が定着しない」「すぐに辞めてしまう」という話をたびたび聞きますが、その原因は、もしかすると職場での会話の内容にあるのかもしれないですね。

社長から率先してポジティブな話を増やし、ビジョンを語ることが大切なのだと気づきました。

それも、3:1以上の比率でポジティブな内容が多くないとダメなので、自虐的な面の強い日本人には、結構ハードルが高いかもしれませんが・・・。



有酸素運動が記憶力を向上させる

たとえば、ストレスホルモンのコルチゾールが脳の神経細胞の新生を阻害することは書きましたが、涙をながすとコルチゾールを分泌させるホルモンが減ります。

さらに1回1時間、週に2回の有酸素運動が、脳の神経細胞を新生させるためのBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌の増加を促すのだそうです。

アスリートの方の記憶力が良いのは、BDNFがどんどん出ているからなんですね。

わたしのダンスの先生も、やたらと記憶力が良いので、不思議だな~と思っていたのです。

そして、この記述を読んで、わたしは高校時代のことを思い出しました。

わたしは詰め込み教育世代で、通っていた高校は超がつく進学校でした。

その高校では、3年生になると、体育の授業が週2時間から3時間に増えていました。

30年以上も前なので、BDNFやらコルチゾールやら、わかっていなかったと思いますが、なぜか体育の授業が増えていて、「やだな、めんどくさい」と思っていたのです。

が、体育の授業が増えることによって、脳の神経細胞、とくに海馬で神経細胞が新生するのですから、受験生の記憶力の向上に大きく影響していたのではないでしょうか。


アウトプットのポイント整理が役にたつ

学びを結果に変えるアウトプット大全」は、アウトプットのポイントを整理しています。

「企画書の書き方」とか「パワポの作り方」、はたまた、人気ブロガーになるための本などをお読みの方には、半分くらいは「知ってる知ってる」という内容かもしれませんが、アウトプットのためのポイント整理が、ここまで網羅され、懇切丁寧にまとめられている本も珍しいと思います。

わたしの感覚では、関連する本の3冊から5冊分くらいが網羅されています。

また、心理学的・脳科学的なアプローチを前提にしているので、マーケティングの勉強をしている人にとっても、とても役にたちます。

たとえば、ソーシャルメディアの7大原則として、著者は次のように書いています。

  1. ソーシャルメディアは「社会」である
  2. ソーシャルメディアは「ガラス張り」である
  3. ソーシャルメディアユーザーの目的は「情報収集」と「交流」である
  4. ソーシャルメディアは最高のブランディングツールである
  5. ソーシャルメディアで最も重要な感情は「共感」である
  6. ソーシャルメディアは「拡散力」が強い
  7. ソーシャルメディアに書く目的な「信頼」を得ること

知ってる人は知っているけど、知らない人は知らないことです。

このように、読書の目的やビジネス領域が違うと、出会わないような情報がコンパクトにまとめられているのです。


アウトプットで大切なのは「気づき」と「TODO」

学びを結果に変えるアウトプット大全」のなかで、何度も繰り返し語られているのが、インプットした情報から、気づきを得て、そこから自分はどんな行動を起こすのか(TODO)を書き出し、何度も確認することです。

インプット3割、アウトプット7割が、インプットした情報がもっとも記憶に残りやすく、成長につながるのです。

そのためには、話すこと、書くこと、そして行動すること。

読書、観劇、映画鑑賞などのインプットをしたら、その直後に感想を話す、書くことが大切なのです。

なかなかできそうでできませんよね。

しかし、本書では、なかなかできない人が、どうしたらできるようになるのか、つまり行動を促すためのノウハウも教えてくれます。

本の感想を書くには、テンプレートを使うと、15分で文章がかけるようになると、書いてあります。

ここまで親切な、アウトプットのノウハウを公開した本は、ほかにはないかもしれません。


アウトプットは人生を変える

アウトプットをすることで、人は人生が変わります。

ストレスの多い人は、日記を書くことでストレス発散になり、ポジティブ思考を得られます。

毎日ブログを更新し、多くの共感を集める人は、世間から注目を集めるようになり、副収入が増えます。

書くこと、書いたことを公開することで、人生が変わると著者は断言します。

著者自身が、毎日メルマガを配信し、SNSを更新し、28冊もの本を書いているのですから、説得力があります。

学びを結果に変えるアウトプット大全」は、ビジネスとしてのアウトプットのノウハウを知りたい人よりも、人生を変えたいと思っている人が読んだほうが良いと感じました。


樺沢紫苑さんの著作物一覧
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