株式会社メタップス社長、佐藤 航陽さんの「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」読了。
アマゾンの売り上げランキングでも上位という、今、人気の本です。
読了して、みんなが読みたがるのもうなづけました。
なぜなら、「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」に書いてあることは、経営学者が研究している人気のテーマである、成功する企業のあり方やビジネスモデルから、個人としての生き方までが網羅されているためです。
また、非常に読みやすい語り口であるため、わたしは学生たちに読んだほうが良い本として勧めたほどです。
とにかく、わかりやすい!
文章からは、30歳を超えたばかりの起業家とは思えないほど、落ち着いている印象も受けました。
著者が持つ情報量の多さが自信につながっているかのようです。
今年紹介した本のなかでは、「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」がイチオシです。
まずは手に取ってください。
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数年前から日本でも翻訳本が出されるようになっていて、わたしも何冊か読んでいます。
経営学者が書いたものは、基本的に論文なのであまり面白くありません。
しかも、統計的な情報であるため、これだ!という言い切りがなく、読んでいてモヤモヤします。
そんなアメリカの研究の中でも、先にあげたシェーン・スノウさんの著作は、スノウさんがIT系ライターなので、読んでいておもしろく、わかりやすかったので、ブログでも紹介しています。
つまり、ホットなネタなのにわかりにくい内容の本が多い中、佐藤 航陽さんは、成功するビジネスモデル、成長する企業について「経済システム」というとらえ方で、あまりにも明確に説明しています。
この部分を読むだけでも、起業家や経営者にとって1500円(税抜き)という価格は安いと思います。
ちなみに、発展する「経済システム」5つの要素として、次を掲げています。
不確実性は経済学でよく取り上げられますが、仕事は先が見えていないほうが楽しいものです。
が、秩序が固定しないように、強制的に新陳代謝を促す仕組みを組み込んでおく必要がある。
ひとりではできないことを共同で実現できる。
この5つの要素に加えて、さらに経済システムに持続性をもたらすためには、経済システムの「寿命」を考慮して、寿命がきたら、参加者が次に移れるような選択肢を複数、参加者に揃えて見せることが大事だと、著者は主張します。
また、勝手に拡大するサービスは、経済システムに必要な5つの要素を完璧に押さえているのです。
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これは歴史の必然であって、インターネットが登場する以前は、ごく一部の人間が情報をたくさん持っていて、それらの情報を小出しにすることで社会や経済をコントロールしていました。
大学で担当している広告論の講義でも、マスメディア広告からネット広告に移り変わるにつれ、個人の力が増していて、広告からパブリックリレーション(PR)へ比重が移ってきていると話しています。
佐藤 航陽さんが指摘する「分散化」は、さらに一歩進んでいて、経済システムそのものが、管理者のいないものになっていくだろうという点のです。
つまり、ビットコインのような仮想通貨経済圏と、ブロックチェーンを活用した契約条項を自動的に実施するような、人の介在しない仕組みが、これからの社会を変化させていくだろうというのです。
お金(通貨)は、今のところ国家が管理していますが、ビットコインは管理者不在の仮想通貨(データ)であるにも関わらず、世界中で利用が始まっています。
これが新しい経済圏であり、経済システムになっています。
通貨は、物々交換の不便さから生まれた、あるものの価値と交換できる便利なモノ。
インターネットと同様に、管理者不在のシステムであるビットコインが登場して以来、通貨の価値は下がり続けている、というのが著者の主張です。
お金って何だろうか?
という疑問を投げかけ、それは単なるツールであると喝破している点がすばらしいと思いました。
実際のところ、すでにポイント制でたまったポイントが通貨同様に利用できます。
楽天では、何か行うとポイントが貯まり、そのポイントをつかって、楽天で買い物したり、旅行したりできます。
わたしがよくやるのは、クレジットカードで貯まったポイントを楽天ポイントに移行することです。
おかげさまで、クレジットカードで貯めたポイントで、何度も吉方位旅行に行っています。
プロモーションやマーケティングの手法として考えられてきたポイント制ですが、特定の企業の中ではお金として使えます。
このことが、まさに国家によらない経済システムの形成であるというのです。
資金調達マニュアル
近頃の議論のなかに「ベーシックインカム」があります。
ベーシックインカムとは、人間生活を営む最低限のお金を国家が支給するというもので、AIが活躍する社会になると人は仕事がなくなるとして、真剣に議論されています。
佐藤 航陽さんは、ベーシックインカムが普及すると、お金の価値はもっと下がるだろうと指摘します。
お金の価値がさがると、報酬として機能しなくなるだろうというのです。
生活のためにお金を稼ぐ必要がなくなる社会では、社会的な欲求を満たすような「価値」が相対的に報酬としての地位を高めることになるだろうと。
ベーシックインカムは、国家だけでなく企業も行うようになってもおかしくないので、本書の中では、グーグルが行動データを取得するために、無償で住宅を提供することは十分にあり得る、としています。
グーグルは現在でも、無償でさまざまなツールを提供して、広告ビジネスのためのデータを取得していますから、そう遠くない未来に無償で住宅を提供してもおかしくないです。
その欠点を補うのが価値主義であり、価値主義では、個人の感情と結びついた内面的な価値や、共同体の持続性を高める社会的な価値といった、資本にはならない価値で経済が回っていくようになるだろう、というのです。
そして個人は、ネット上で自分に適した経済を選ぶことができるようになる。
たしかに、社会的に価値のある取り組みは利益を出しやすくなっており、利潤のみを追求する事業は短期的な利益を求めすぎて、消費者に避けられるようになってきています。
経済活動には公益性、政治活動にはビジネスとしての持続可能性が求められるようになると、経済と政治の境界線もあいまいになると、佐藤 航陽さんは指摘します。
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成長性が見込めないため、若者が入り込む余地がほとんどありません。
しかも物質的に満たされた世代にとって、モノが欲しいという物質的な欲望は高くないため、人生における目的や方向性を見失いがちになっています。
親世代には、お金を稼いで家を買う、車を買う、ブランド品を買う、といった目的がありましたが、若者にとってモノは邪魔なものになりつつあります。
20代前半の女性の4人にひとりが「ブランド品はいらない」というアンケート結果があるくらいなのです。
シェアで十分という若者が、人生において意義を見出せずにいることは不幸な状態であり、お金が報酬として脳を活性化させない世代が登場していることを認識して、彼らに人生の目的や方向性を持たせることができる企業が、これからは重要であるというのです。
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つまり、共感や信頼、好意、感謝といった内面的な価値をたくさん得られる人、他人に伝えられるほどの熱量をもって好きなことに取り組んでいる人などが、価値主義のなかでは利益を得られるようになります。
そして、本当に価値を提供できる人は会社に属して働く必要性がなくなります。
そのためには、自分の価値をわかってもらうための枠組みを作る必要があります。
それは、SNSなどで情報発信すること、興味・共感・好意を持ってくれる人とのつながりを増やすこと、そして自分の独自性に磨きをかけることです。
ここまで丁寧に網羅した、新しい経済システムとそこでの生き方に関する書物は、ほかには見当たらないのではないでしょうか。
おすすめです。
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お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book) | ||||
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アマゾンの売り上げランキングでも上位という、今、人気の本です。
読了して、みんなが読みたがるのもうなづけました。
なぜなら、「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」に書いてあることは、経営学者が研究している人気のテーマである、成功する企業のあり方やビジネスモデルから、個人としての生き方までが網羅されているためです。
また、非常に読みやすい語り口であるため、わたしは学生たちに読んだほうが良い本として勧めたほどです。
とにかく、わかりやすい!
文章からは、30歳を超えたばかりの起業家とは思えないほど、落ち着いている印象も受けました。
著者が持つ情報量の多さが自信につながっているかのようです。
今年紹介した本のなかでは、「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」がイチオシです。
まずは手に取ってください。
【JCB・AMEX専用】Easy Trade FX【イージー・トレードFX(イートレFX)】
発展する「経済システム」5つの要素
昨今の経営学のなかで、キラーコンテンツともいえるのが、成功している起業家や企業についての研究です。数年前から日本でも翻訳本が出されるようになっていて、わたしも何冊か読んでいます。
経営学者が書いたものは、基本的に論文なのであまり面白くありません。
しかも、統計的な情報であるため、これだ!という言い切りがなく、読んでいてモヤモヤします。
そんなアメリカの研究の中でも、先にあげたシェーン・スノウさんの著作は、スノウさんがIT系ライターなので、読んでいておもしろく、わかりやすかったので、ブログでも紹介しています。
つまり、ホットなネタなのにわかりにくい内容の本が多い中、佐藤 航陽さんは、成功するビジネスモデル、成長する企業について「経済システム」というとらえ方で、あまりにも明確に説明しています。
この部分を読むだけでも、起業家や経営者にとって1500円(税抜き)という価格は安いと思います。
ちなみに、発展する「経済システム」5つの要素として、次を掲げています。
1.インセンティブ 報酬が明確
3M(儲けたい、モテたい、認められたい)を満たしており、なかでも認知欲求のような社会的な欲望を満たすシステムは急速に発展する。2.リアルタイム 時間によって変化する
常に状況が変化することを参加者が知っており、緊張感をキープできること。3.不確実性 運と実力の両方の要素がある
人は確実性を求めるものですが、想像力を働かせ、積極的に取り組み意欲が増すのは不確実性のある仕事。不確実性は経済学でよく取り上げられますが、仕事は先が見えていないほうが楽しいものです。
4.ヒエラルキー 秩序の可視化
指標があることで自分と他人の距離感や関係性をつかみやすくなるメリットがある。が、秩序が固定しないように、強制的に新陳代謝を促す仕組みを組み込んでおく必要がある。
5.コミュニケーション 参加者が交流する場がある
参加者が、ひとつの共同体であることを認識できる。ひとりではできないことを共同で実現できる。
この5つの要素に加えて、さらに経済システムに持続性をもたらすためには、経済システムの「寿命」を考慮して、寿命がきたら、参加者が次に移れるような選択肢を複数、参加者に揃えて見せることが大事だと、著者は主張します。
また、勝手に拡大するサービスは、経済システムに必要な5つの要素を完璧に押さえているのです。
日本政策金融公庫 完全攻略レポート
中央集権化から分散化へ
「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」では、国家や大企業などは中央集権的な構造を採用しており、管理者がいるシステムであると指摘しています。これは歴史の必然であって、インターネットが登場する以前は、ごく一部の人間が情報をたくさん持っていて、それらの情報を小出しにすることで社会や経済をコントロールしていました。
大学で担当している広告論の講義でも、マスメディア広告からネット広告に移り変わるにつれ、個人の力が増していて、広告からパブリックリレーション(PR)へ比重が移ってきていると話しています。
佐藤 航陽さんが指摘する「分散化」は、さらに一歩進んでいて、経済システムそのものが、管理者のいないものになっていくだろうという点のです。
つまり、ビットコインのような仮想通貨経済圏と、ブロックチェーンを活用した契約条項を自動的に実施するような、人の介在しない仕組みが、これからの社会を変化させていくだろうというのです。
お金(通貨)は、今のところ国家が管理していますが、ビットコインは管理者不在の仮想通貨(データ)であるにも関わらず、世界中で利用が始まっています。
これが新しい経済圏であり、経済システムになっています。
通貨は、物々交換の不便さから生まれた、あるものの価値と交換できる便利なモノ。
インターネットと同様に、管理者不在のシステムであるビットコインが登場して以来、通貨の価値は下がり続けている、というのが著者の主張です。
お金って何だろうか?
という疑問を投げかけ、それは単なるツールであると喝破している点がすばらしいと思いました。
実際のところ、すでにポイント制でたまったポイントが通貨同様に利用できます。
楽天では、何か行うとポイントが貯まり、そのポイントをつかって、楽天で買い物したり、旅行したりできます。
わたしがよくやるのは、クレジットカードで貯まったポイントを楽天ポイントに移行することです。
おかげさまで、クレジットカードで貯めたポイントで、何度も吉方位旅行に行っています。
プロモーションやマーケティングの手法として考えられてきたポイント制ですが、特定の企業の中ではお金として使えます。
このことが、まさに国家によらない経済システムの形成であるというのです。
資金調達マニュアル
資本主義から「価値主義」へ
ここからは、個人の生き方にかかわる内容になってきます。近頃の議論のなかに「ベーシックインカム」があります。
ベーシックインカムとは、人間生活を営む最低限のお金を国家が支給するというもので、AIが活躍する社会になると人は仕事がなくなるとして、真剣に議論されています。
佐藤 航陽さんは、ベーシックインカムが普及すると、お金の価値はもっと下がるだろうと指摘します。
お金の価値がさがると、報酬として機能しなくなるだろうというのです。
生活のためにお金を稼ぐ必要がなくなる社会では、社会的な欲求を満たすような「価値」が相対的に報酬としての地位を高めることになるだろうと。
ベーシックインカムは、国家だけでなく企業も行うようになってもおかしくないので、本書の中では、グーグルが行動データを取得するために、無償で住宅を提供することは十分にあり得る、としています。
グーグルは現在でも、無償でさまざまなツールを提供して、広告ビジネスのためのデータを取得していますから、そう遠くない未来に無償で住宅を提供してもおかしくないです。
資本主義はお金を増やすことが目的
著者は、「価値主義」とは経済の民主化であると定義し、資本主義には欠点があると主張します。その欠点を補うのが価値主義であり、価値主義では、個人の感情と結びついた内面的な価値や、共同体の持続性を高める社会的な価値といった、資本にはならない価値で経済が回っていくようになるだろう、というのです。
そして個人は、ネット上で自分に適した経済を選ぶことができるようになる。
たしかに、社会的に価値のある取り組みは利益を出しやすくなっており、利潤のみを追求する事業は短期的な利益を求めすぎて、消費者に避けられるようになってきています。
経済活動には公益性、政治活動にはビジネスとしての持続可能性が求められるようになると、経済と政治の境界線もあいまいになると、佐藤 航陽さんは指摘します。
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価値主義の経済システムで変わる生き方
資本主義という経済システムは、日本のような固定した縮小社会では、若者が努力して競争しても見返りが少ないものです。成長性が見込めないため、若者が入り込む余地がほとんどありません。
しかも物質的に満たされた世代にとって、モノが欲しいという物質的な欲望は高くないため、人生における目的や方向性を見失いがちになっています。
親世代には、お金を稼いで家を買う、車を買う、ブランド品を買う、といった目的がありましたが、若者にとってモノは邪魔なものになりつつあります。
20代前半の女性の4人にひとりが「ブランド品はいらない」というアンケート結果があるくらいなのです。
シェアで十分という若者が、人生において意義を見出せずにいることは不幸な状態であり、お金が報酬として脳を活性化させない世代が登場していることを認識して、彼らに人生の目的や方向性を持たせることができる企業が、これからは重要であるというのです。
【フェイスブックを快適に攻略したいあなたに最強の武器を授けます!】簡単!即効果!のフェイスブックツール最終兵器!『 フェイスブッククエスト / FaceBookQUEST 』 マルチパッケージ版
お金のためでなく「価値」をあげるために働く
著者は、自分自身の価値を高めておけば、その価値をいつでもお金に変換できることを、YouTuber(ユーチューバ―)やInstgramer(インスタグラマー)の事例をあげて、説明します。つまり、共感や信頼、好意、感謝といった内面的な価値をたくさん得られる人、他人に伝えられるほどの熱量をもって好きなことに取り組んでいる人などが、価値主義のなかでは利益を得られるようになります。
そして、本当に価値を提供できる人は会社に属して働く必要性がなくなります。
そのためには、自分の価値をわかってもらうための枠組みを作る必要があります。
それは、SNSなどで情報発信すること、興味・共感・好意を持ってくれる人とのつながりを増やすこと、そして自分の独自性に磨きをかけることです。
ここまで丁寧に網羅した、新しい経済システムとそこでの生き方に関する書物は、ほかには見当たらないのではないでしょうか。
おすすめです。
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