「心と体を変える “底力” は “腸” にある 腸脳力」読了。
先日も書きましたが、麹菌を摂りつづけて、なんだか変わってきたぞ!わたし、です。
とはいえ、わたしの変化について、科学的にアプローチして説明してくれる本はないだろうか、と探して見つけたのが、この「腸脳力」。
著者はサイエンスライターの長沼 敬憲さん。
最先端の研究者の方々に取材した経験をもとに、本書をおまとめになったようです。
そして、本書は2011年に刊行されていますが、なんと昨年5月に5刷り!という、まさにロングテールな書籍なのです。
わたしが手にしたのは昨年発行されたものでした。
これも、腸に注目している方が増加していることの証ではないでしょうか。
腸の慢性疲労が便秘の原因かも
これは知りませんでした。うんちを出すためには、腸が蠕動(ぜんどう)運動する必要がありますが、食物繊維が、この蠕動(ぜんどう)運動を助けてくれるんです。
腸の蠕動(ぜんどう)運動は、腸がひとりでがんばって動いているわけではない。
食物繊維との連携プレーによって起こる。
どういうことかというと、食物繊維をほとんど摂らない人は、腸が自力で蠕動(ぜんどう)運動しなくてはならず、これが続くと腸壁が厚く、硬くなります。
腸がムキムキ、筋肉がつくみたいなイメージでしょうか。
この状態がつづくと、腸が慢性疲労を起こし、蠕動(ぜんどう)運動が弱まるのだそうです。
臭いオナラは腸の生ごみが原因
腸の蠕動(ぜんどう)運動が鈍くなると、腸に便が停滞する時間が長くなってしまいます。つまり、生ごみを入れて放置したゴミ箱状態になります。
これが腸内で起こっているんです。
生ごみは放っておくと腐敗していき、悪臭を放ちます。
とくに動物性たんぱく質(肉、魚)が腐敗すると、強烈な悪臭となります。
密閉空間ともいえる腸のなかで、生ごみの腐敗がすすみ、有害なガスが発生すると、臭いオナラの完成です。
オナラはでても、臭いオナラは、腸内が生ごみ発酵装置(=コンポスト)になっているということ。
野菜を食べない方は、特に要注意です。
心と体を変える “底力” は “腸” にある 腸脳力 | ||||
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自然免疫と獲得免疫
「免疫」という言葉はよく知っているつもりでしたが、2つの系統があるのだそうです。ひとつは自然免疫。
これは、細胞ひとつひとつに備わったもの。
一般に免疫と言われるのが、進化した生物の、白血球による防御機能の獲得免疫なのです。
T細胞とか、マクロファージとか、身体にとって異質なものを食べてしまうという働きの事です。
テレビなどで紹介される多くは、こちらの獲得免疫のほうですね。
自然免疫はもっと単純で、細胞がもっているセンサーが、侵入してきた菌やウィルスをキャッチして、周囲の細胞に知らせます。
細胞から抗菌・抗ウィルス物質が発生し、病原体を死滅させます。
進化した免疫には弱点があり、抗体ができるまでに1週間程度かかります。
進化したから良いわけではない、ということが免疫に見て取れます。
しかも、この自然免疫が有効に働かない人が増えているというのです。
3人の自分に向き合う
最先端の知見を紹介する本書ですが、その先に見えてきたのは、哲学的な人間理解です。著者が書きたかったことは、後半からだと感じます。
知・思考=脳
感情=心臓
意志・意欲=ハラ(腹部・腸)
つまり、「自分」という存在は、脳・心臓・ハラのそれぞれに存在し、これら3人の自分と向き合うことで、心身のバランスがとれる、と主張しています。
この考えの根底にあるのは、生物発生の歴史です。
人間の諸器官のなかで、もっとも古いのは消化管。
つまりハラ。
そこからさまざまに進化・発達して心臓や脳ができてきました。
なるほど。
人間は腸から生まれてきたのだから、脳がすべての根源ではない、脳は「自分」の一部でしかないことを知ることが大事、なのです。
食べたものの内容が、心を左右する
感情の乱れは、腸の乱れ。食べたものが消化されずに滞留すれば、腸の活動が不安定になります。
それがメンタルにも影響すると、脳の判断をゆがめることにもなりかねません。
お腹の具合が悪くて、最善の決断をあきらめたことがあるかたもいるはずです。
頭だけではコントロールできないものをコントロールしているのが腸なのです。
直観力は尾てい骨にあり
直観力やひらめきは、なんと、尾てい骨にある神経系にあると、著者は書いています。脳を鍛えるだけでは直観力は磨かれない。
これって納得なのです。
思考は、自分の枠を超えることはありません。
自分が向き合っている世界よりも小さくまとまるものです。
だから、細胞レベルで感情やひらめきを感じることが大切。
そのためには腸を鍛えること。
本書は、自分が自分であるためにどうしたらよいのか、を科学的アプローチで解説したものです。
メンタルトレーニングや脳トレに時間とお金をかけるまえに、まずは本書を手に取って、腸の健康を考えてみてはいかがでしょう。
わたし自身の経験ですが、腸が変わると考え方が変わります。
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