「空海の秘密
日本に密教を導入した空海は、護摩焚きという火をつかう祈祷を持ち込んだ人物。
その空海の足跡を、史実に基づいて描きつつ、日本史ミステリーにも迫る、というフィクションです。
空海には、空白の3年間、7年間という時期があるそうで、その間に空海がなにをしていたのかを解き明かすことが「空海の秘密
お遍路さんの仕組みは あるものを防御するために 空海が作った |
で、読んでみて驚いたのは、四国と秦氏にまつわる、ある伝説でした。
空海の秘密 | ||||
|
讃岐出身の空海こと佐伯真魚
空海は讃岐、つまり現在の香川県の出身。有名な善通寺は、空海のお父さんが開基というお寺です。
兄が3人、姉が一人、弟が二人、妹がひとりの8人兄弟の真ん中が真魚でした。
小さいころから天才だったようで、早くからその才能の片りんを見せていたようです。
当時、天皇のそば近くに住む父方の叔父、阿刀大足は桓武天皇の第三子伊予親王の侍講(家庭教師)をしていたことから、空海も一緒に伊予親王と机を並べて学ぶことになります。
空海の実家は、地方の豪族なので身分は低い家柄ですから、本来なら考えられないことですが、その後も阿刀大足の後押しをうけて、入学基準を超えて大学に進みます。
秦氏=古ユダヤ人説
桓武天皇は、長岡京遷都、平安京遷都と、2度の遷都で有名な天皇です。その平安京遷都の裏で、秦氏が、自らの広大な屋敷の敷地を御所に提供するほか、多数の人足、費用を負担していたことをご存じですか。
桓武天皇の母が、百済王朝の末裔の帰化人と考えられている高野新笠(たかのにいがさ)ですから、同じ帰化人の秦氏との縁が深かったことは想像できます。
東寺は空海とは深いご縁のあるお寺 |
正直なところ、わたしの帰化人のイメージは、朝鮮半島や中国、または東南アジアの国々の人々、でした。
「空海の秘密
しかも、彼らは、ユダヤの秘宝を日本に持ってきていて、それをひそかに隠しているというのです。
一気にインディ・ジョーンズ風です。
調べてみると、秦氏=ユダヤ説は根強くあって、歴史的に否定するものではなさそうです。
その秦氏のサポートを受けながら、空海・ジョーンズは、ユダヤの秘宝を探しだし、それを密かに安置した、というのが物語となっています。
鶴亀山を防御する四国八十八か所のお遍路さん
アークを埋蔵したという噂が、四国の剣山にはあるそうで、こちらもネットで調べると出てきます。物語のなかでは、剣山に誰も近づけさせないために、人々の注意を逸らす目的で、空海が、四国八十八ヶ所霊場を設けたとされています。
いわゆる結界ですね。
この結界をぐるぐると人々が信仰心から巡ることで、その結界の効力が高まり、しかも秘宝の安置場所から目をそらすことができる、という奇策でもあるのでした。
日本神道とユダヤ教の共通点
日本の神道=神社が、ユダヤ教との共通点がおおいなんて、考えたことありますか?わたしは全くありませんでした。
物語の展開上とはいえ、言葉が似てるとか、衣装が似てるとか言われても、にわかには信じがたいです。
歴史には偶然もあるので、このあたりは書きすぎかな、とは感じました。
が、真剣に調査して報道していた事例もあるようです。
日本とユダヤのハーモニー
http://www.historyjp.com/
本書のネタがこのサイトには満載ですので、「空海の秘密
わたしが「空海の秘密
アマゾンに掲載されている著者紹介によると、空海とは、縁もゆかりもなさそうなキャリアなのです。
今井仁(いまいじん)
・1949年 埼玉県与野市(現さいたま市)出身。埼玉大学教育学部附属小・中学校、立教高等学校、72年立教大学社会学部観光学科(現観光学部)卒業。
・81年から足かけ20年間ぴあ株式会社に勤務。「チケットぴあ」を開発・事業化。大規模ホールチケットシステムを構築。劇団四季Cat's劇場、サントリーホール、グリーンホール相模大野、パルテノン多摩、府中の森芸術劇場他主要な大規模ホールチケットシステムを手掛ける。
・94年から米国シリコンバレーに行き、べンチャービジネス、インターネット、電子商取引、デジタルチケット、ICカード等を研究、人脈を広げる。・通産省の情報関係の委員多数。
・ビジネス書の執筆活動を開始。インターネット・ビジネスを日本に紹介。
・2000年株式会社イーコンテンツを渋谷ビットバレーに設立、代表取締役。人脈と経験を広げる。この間ITコンサルタントとして、JTBのWebマスター、日本ユニシス、武蔵野市等の委託事業に従事。
むしろITという最先端ビジネスを引っ張ってこられた方。
なぜ、空海や真言密教に傾倒していったのか、そちらのことをうかがいたいと思いました。
<関連の投稿>
【斎藤 英喜】「陰陽師たちの日本史」
【山下 克明】「陰陽道の発見」
【小松 和彦】「呪いと日本人」
コメント
コメントを投稿