【松生 恒夫】「寿命の9割は腸で決まる」



寿命の9割は腸で決まる」読了。

つい先日、NHKで放映された「NHKスペシャル「人体」 万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった」で、腸にかんする最新の研究成果が紹介されていました。

その腸に関する、便秘の専門家による著作です。

著者は、「便秘外来」を長年みてきた松生クリニック院長。

腸に免疫機能があることは知られてきていることですが、寿命は腸の健康次第だというのが、「寿命の9割は腸で決まる」が主張するところなのです。

寿命の9割は腸で決まる (幻冬舎新書)

松生 恒夫 幻冬舎 2018-01-18
売り上げランキング : 4857
by ヨメレバ

いったい、腸にはどんな秘密があるというのでしょうか?





腸内環境が悪いとかかりやすい病気

小腸では、リンパ球の6割が存在していて、免疫機能の中心となっています。

そのため、腸内環境、つまり腸の健康状態が悪くなるとかかりやすくなる病気があります。

□ 糖尿病、慢性便秘症、メタボリック・シンドロームなどの代謝・内分泌にかかわる疾患
    
□ 潰瘍性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患

□ うつ病などの精神疾患

□ 悪性腫瘍(がん)

□ 大腸炎

□ 肝臓疾患(ASH、NASH)

□ 動脈硬化症や心不全などの循環器疾患

□ 頭痛や肩こり

これらの原因が、腸内環境の悪化、すなわち腸内細菌のバランスが悪くなると発症しやすいというのです。

NHKスペシャル「人体」 万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった」でも、クロストリジウム菌が極端に少なくなると、強度のアレルギーや多発性硬化症を発症することがわかってきていること、そしてその原因も解明されつつあることが、放送されました。

水溶性植物繊維をエサにして酪酸をつくる腸内細菌

強度のアレルギーや多発性硬化症とは、自己免疫疾患の一部です。

免疫機能が暴走して、自分の細胞や組織まで異物と判断して攻撃することが原因で、発症する病気と理解されています。

このような自己免疫疾患を抑制するためには、クロストリジウム菌がつくる酪酸からできる、免疫細胞の暴走を抑える「Tレグ(制御性T細胞)」が十分にないといけません。

腸内細菌が酪酸をつくるためには、食物繊維、それも水溶性の食物繊維がたっぷりとないといけないのです。

免疫機能を作り出す腸内細菌

水溶性食物繊維とは、海藻類やこんにゃくなどに含まれている食物繊維のことです。

水に溶けやすいため、「糖の吸収をおだやかにする」というトクホ商品に入っていることが多い食物繊維です。

食物繊維と腸の連携プレーで、人体の健康が守られているのです。


便秘解消!免疫力アップ!腸活
便秘外来に行く前にためしたい7つの方法

ダイエットの味方のはずの赤身肉は動脈硬化の原因

本書のなかでショックだったのは、赤身肉は動脈硬化の原因だということです。

ステーキ好きで、ラム肉も大好きなわたしには、これは見逃せない情報です。

カルニチンという栄養素は、エネルギー代謝を高めるとして、ダイエットサプリにも使われています。

このカルニチンを多くふくむ赤身をもとに、腸内細菌が「トリメチルアミン」という物質を作り出します。

この「トリメチルアミン」が肝臓に運ばれると、「トリメチルアミンオキシド」に変換されます。

この「トリメチルアミンオキシド」が、動脈硬化(心臓疾患や脳血管疾患など)の原因物質になるのだそうです。

ただ、赤ワインやオリーブオイルに含まれる成分が、トリメチルアミンをつくる腸内細菌の働きを抑えることがわかっていて、赤身肉やラム肉を食べるときには、赤ワインやオリーブオイルを積極的にとったほうが良いみたいです。

腸と寿命にマイナスの食材はコレだ!

腸の健康によくない食材というのもあります。

これも、読むとショックを受ける人がいるかもしれませんので、ここで、紹介しておきます。

ヨーグルト

脂肪分が多いため。

赤身肉

コレステロール値をあげる飽和脂肪酸が多く、肥満などのメタボリック・シンドロームを引き起こします。

鉄分が多いことも良くありません。

鉄分と脂質が組み合わさると活性酸素を作り、鉄イオンのフェトン反応を起こしやすくします。

フェントン反応とは、土壌浄化の手法のひとつとして利用される、化学的分解法のことです。

なんだかよくわかりませんが、体内で良くないことが起こっていそうです。

目に見えない油

不飽和脂肪酸は、細胞膜を構成している油であり、必須脂肪酸を含むので、食事でとる必要がある油です。

これに対して、動物性脂肪(肉類や乳製品)に多くふくまれる飽和脂肪酸は、できるだけ控えたい油の代表です。

健康な細胞膜をつくってくれる不飽和脂肪酸は植物油に含まれています。

健康な細胞膜になると、不要物の排出がスムーズになり、発がん物質も体外に出されます。

逆に細胞膜が健康でなくなると、発がん物質などもため込みやすくなってしまいます。

ファーストフード

揚げ物がおおいファーストフードは、有害な過酸化脂質ができます。

また、よく使われているショートニングはトランス脂肪酸をつくり、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やすことが知られています。

寿命の9割は腸で決まる」を読むと、腸が大きな役割を果たしていることがよく理解できます。

健康が気になる方に、おすすめの一冊です。


<関連の投稿>
【長沼 敬憲】心と体を変える “底力” は “腸” にある「腸脳力」
【山元 正博】「麹のちから!」


コメント