「剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎」読了。
2017年、NHK大河ドラマの主人公がこの井伊直虎です。
女性でありながら井伊家の当主となり、時代に翻弄される井伊家を守り切ったという人物。
これだけで手に取ってしまいました。
剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎 (文春文庫) | ||||
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NHKのほうのキャストはすでに発表されていて、柴咲コウが直虎を演じます。
柴咲コウ Single Best | ||||
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徳川幕府を支えた井伊家
この直虎を挟んで、ふたりのイケメン(小説ではそのように描かれています)が対峙するのですが、一人は直虎の許婚の亀之丞こと井伊直親。もう一人が、井伊家を簒奪しようとする小野篁の子孫でもある小野政次です。
直親は、大きな漆黒の眼に銀の光をたたえた明るく誰からも好かれる美青年。
一方の政次は、権力にひた走る陰のあるイイ男。
主役の柴咲コウはわかっていたので、さて、この二人には誰がいいだろうか、と妄想しながら読んでおりました。
私のなかでは、井伊直親は藤原竜也、小野政次は小栗旬でした。
年齢的なことと、直虎との身長差とか、本書にちりばめられた情報をもとにした妄想キャスティングですが、途中で藤原竜也はないな、と結論しました。
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というのも、藤原竜也は、今年から3年がかりで制作されているNHKドラマ「精霊の守り人」のほうで、とても重要な帝の役を演じているためです。
大河ドラマはNHKの看板だし、ドラマ「精霊の守り人」も世界に売り込みたいコンテンツとして相当に力を入れているのでどちらにも出演ということはないだろうと。
眼が大きくて印象的なイケメンってほかにいるかな~?
知略派の小野政次に対して、正面から向かっていくような役ができるイケメンです。
本を読み終わってからも全然思いつかなかったのですが、主要キャスト一覧を見て、ある意味なっとく、ある意味がっかりの三浦春馬でした。
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眼がキラキラの三浦春馬
TBSドラマ「わたしを離さないで」では、臓器提供のためにつくられたクローン役を熱演していました。眼がキラキラは良いとして、正面からぶつかっていく正直者というのも、言いかえれば、ちょっと鈍感な正義の人なので、まあ良いか、という感じですね。
あまり期待はしていませんが・・・・。
知略派の小野政次は高橋一生でした。
最近、あちこちで見かける俳優さんです。
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ついこの間まで、フジテレビの「僕のヤバイ妻」に出演しておりました。
最後は、なんだかとってもいい感じの役柄で、好感度もアップしたんじゃないでしょうか。
本作「剣と紅」のなかでは、小野政次は最後まで直虎と対立しながらも、お互いに好意をもっているかのような余韻を残していて、直虎がはりつけにされた政次を弔う場面は感動ものです。
なので、相当にいい役のはずなのですが、最初は嫌われ役というところが、「僕のヤバイ妻」的であってるかもしれません。
ファンタジーで歴史「的」な小説
本書は、大河ドラマ「おんな城主 直虎」を見る前に読んでおきたいアウトラインのような小説です。直虎が子どものころから超能力者で、死を観ることができるファンタジックな設定がミソ。
また、戦国の乱世のなかで転落していく今川家の配下にあった井伊家が歴史のなかで翻弄されるというのも見ものです。
大河ドラマは、主役が男女で毎年入れ替わりますが、女性を主役にしたときの低視聴率ぶりがニュースになるくらい、本当に面白くありません。
歴史上に女性が出てくることがほとんどないため、というのも理解はできますが、男女入れ替え主役制なんてやめればいいのに、と思います。
いっぽう男性が主役でも、戦国と幕末以外は視聴率が稼げないというのも事実。
そんなNHK大河の悩みをうまく解消してくれそうなのが2017年の「おんな城主 直虎」なのです。
ドラマに仕立てたときに、徳川家康は出てくるし、武田信玄も出てくるし、織田信長に豊臣秀吉といった戦国のきら星が登場することは容易に想像できます。
また、井伊家の中興の祖ともいえそうな直虎がいなければ、幕末の桜田門外ノ変もなかったのかも、と想像たくましくなります。
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